「強くなった私は、どんな歌だって歌えます」

1st Visionからミリオンライブまで。
雪歩を愛する作家陣の描く「等身大の雪歩」が詰まったSS合同誌。

ご好評いただき、完頒いたしました。
公開されている作品はタイトルのリンクからお読みいただけます。


あいうえお
■言葉失くして想う

 春は出会いの季節だと言う。
 春は、別れの季節だとも言う。
 幼稚園、小学校、中学校、高校と、人並みには出会いと別れを繰り返して来たつもりの私だったけれど、所詮それは会おうと思えばすぐに再会を望める程度のものだった。

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■Interlude

 漂っていた。行くか帰るか定まらないのだ。
 ようやく訪れた冬休みなのだから、どこかに出かけるのがいいと、そう思ったのだった。ようやく、というのは、それが去年までのように学校の行事表に記された区切りによるものではなかったからだ。


■雪の詩

私は真っ白な雪を歩く
私は真っ白な雪に真っ白な足跡を付ける
どこまでも、どこまでも

鈍行
■星色エンゲージ

 指先に星が輝いている。
 きらきら きらきら
 雪歩、こういう色も似合うね。慈しむように私の手を取った彼女の姿が、温度が、今も私を暖かく包み込む。

サイトロ
■真っ白な嘘、真っ直ぐな言葉

 こそこそと、話は始まった。
 それは萩原雪歩の歩き方。明かりのない階段を歩く足取りはゆっくりで、昼と夜の境目に踏み込んだ太陽は彼女を助けはしない。ブーツが鳴らす優しい音を頼りに、彼女はゆっくりと進んでいく。

吉原睡眠
■僕らなら

 レッスンスタジオのロビーに出向くとソファに響ちゃんが座っていた。さっきまで一緒にレッスンをしていた、同じ事務所のアイドル仲間。にこっと笑って、手を振ってくれる。その仕草は彼女の「一緒に帰ろう」といったサインで、手を振り返すのがOKの意思表示。彼女は立ち上がって、着ているコートの裾をはらう。

若浜真鱈
■ダークグレー・クリスマス

 ありったけの火薬たちに出番がやって来る。仕組みはよく分かっていないけれど、なにか導火線のようなものに明かりが灯って、やがてそれは炸裂して、赤が混じった灰色のバルーンが広がる……。今頃はそんなことが起きているのかな、と、建築で頑張っている企業を紹介するテレビ番組を観ながら考えていた。

アマツキ
■ある日の風景、或いはプロローグ

 忙しいものとばかり思っていたのに。
 事務所に戻った雪歩は、だからちょっぴり不機嫌だった。

勇月

表紙イラスト "Snowdome"

sun

イラスト "きみがいる"

ポケットマン

イラスト "初冬のお仕事"